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予約システムの選び方

予約システムは何から選ぶ?店の予約の入り口から

予約システムは機能や料金の比較から入ると迷子になります。最初に決めるのは、お客さまがどこから予約してくるかという入り口。入り口別の構造と候補の絞り方を解説します。

予約システムを入れようと思って検索すると、比較記事が山ほど出てきます。機能の表も料金の表も、読むほどにどれも良さそうに見えてきます。

最初に決めることは、1つだけです。お客さまがどこから予約してくるか。この記事では、それを「予約の入り口」と呼びます。

入り口さえ決めてしまえば、あとの比較は短く済みます。この記事は、その決め方だけを扱います。

料金表から選び始めると、迷子になります

比較の表には、通知の数や連携機能など、たくさんの項目が並びます。ただ、その項目が自分の店に関係あるかは、表からは分かりません。物差しがないまま表を眺めるから、迷子になります。

物差しになるのは、いま予約がどこから来ているかです。そして、これからどこから来てほしいかです。

入り口が違うと、必要なシステムの形はまるで違います。だから、表を開くのは入り口を決めたあとで十分です。

入り口は、大きく2つに分かれます

機能や料金ではなく、お客さまの動きで分けます。

  • グルメサイト経由。ホットペッパーグルメや食べログなどの予約ページから入る
  • お店の窓口。電話、LINE公式アカウント、お店のサイトから直接入る

グルメサイト経由は、サイトがお客さまを連れてきて、予約もサイトの中で完結します。お店の窓口は、お店をすでに知っている人が、直接予約を入れる形です。

どちらが良い悪いではなく、通ってくるお客さまが違います。ここがこの記事のいちばん大事なところです。

予約の入り口の分岐図。お店を知らなかった人はグルメサイト経由(ホットペッパーグルメ・食べログなど)から、お店を知っている人はお店の窓口(電話・LINE公式アカウント・お店のサイト)から予約し、記録はそれぞれサイト側の管理画面とお店の手元にたまる
入り口が違うと、通ってくるお客さまと予約の記録のたまる場所が違います。両方の入り口を同時に持つこともできます。

お店は電話が最多、お客さまはネットが多数派

店側の調査では、「最も多い予約経路は電話」と答えた店が48.6%でした。シンクロ・フードが2024年1月に行った調査で、375店が答えています。予約全体の48.6%が電話、という意味ではありません。店ごとに一番多い窓口を聞いた結果です。

電話中心の受け方が、いまもいちばん多いのです。

一方で、お客さま側の調査もあります。リクルートの外食総研が2023年11月、三大都市圏の9,808人に行ったものです。飲食店を予約したことがある人のうち、82.0%がネット予約を使っていました(複数回答)。電話で予約した人は48.0%で、ネットが大きく上回ります。

この店とお客さまのずれが、いま予約システムを考える理由そのものです。これから入り口を増やすなら、ネット側に置くのが自然です。

店側とお客さま側の調査の対比図。「最も多い予約経路は電話」と答えた店が48.6%(2024年1月・375店)、飲食店を予約したことがある人のうちネット予約を使った人は82.0%・電話で予約した人は48.0%(2023年11月・三大都市圏9,808人・複数回答)
お店の窓口の最多は電話、お客さまの多数派はネット予約です。上下は対象と聞き方が違う別々の調査です(店側2024年1月・お客さま側2023年11月)。

グルメサイト経由は、集客とセットの入り口です

グルメサイト経由の入り口は、予約の受付だけではありません。サイトの検索やクーポンを見て、お店を知らなかった人が入ってきます。新しいお客さまを連れてくる仕組みと、予約の仕組みがセットです。

だから、ここで払うお金は、集客の対価です。サービスによっては、予約の件数や人数に応じた手数料がかかります。席を埋めたい店にとって、対価に見合う入り口です。

もう1つ、予約の記録の置き場所という特徴があります。だれが、いつ、何人で来たか。その記録は、まずサイト側の管理画面にたまっていきます。

お店の窓口は、また来るお客さまの入り口です

電話、LINE公式アカウント、お店のサイト。これらは、お店を知っている人の入り口です。一度来た人が、次もここから予約を入れます。

店頭やSNSでLINE公式アカウントの友だちになってもらえば、次からはLINEから予約が入ります。電話が営業中に鳴り続ける店ほど、効果は大きくなります。

この入り口の特徴は、記録が自分の手元に残ることです。紙の台帳でも予約管理の画面でも、置き場所はお店の側にあります。店側の調査では、顧客管理は紙の予約台帳が43.7%で最多でした(前出のシンクロ・フード2024年1月調査)。いまの台帳の続きを、そのまま自分の手元で持てる形です。

弱点もあります。新しいお客さまを、連れてきてはくれません。お店を知ってもらう部分は、自分でやることになります。

入り口が決まると、候補は自然に絞れます

自分の店をどちらに置くか、目安はこうなります。

  • 新しいお客さまを増やして席を埋めたい店なら、グルメサイト経由から検討する
  • 常連さんや紹介のお客さまが中心の店なら、お店の窓口から検討する
  • 両方ほしい店は両方持てるので、どちらを主にするかだけ先に決める

入り口が決まると、比較する相手が変わります。グルメサイト経由なら、掲載プランと手数料の仕組みを比べることになります。お店の窓口なら、電話のほかに何を足すかです。同じ「予約システム」という言葉でも、比べる土俵が別なのです。

向かないお店もあります。予約をほとんど受けず、当日のお客さまだけで回っている店です。その場合、入り口の前に、予約を受けるかどうかから考えることになります。ちなみに店側の調査では、予約を受け付けている飲食店は85.6%でした(前出のシンクロ・フード2024年1月調査)。

まとめ

  • 機能や料金の表は、入り口を決めたあとに開く
  • 入り口は「グルメサイト経由」と「お店の窓口」の2つ
  • お店の窓口の最多は電話、お客さまの多数派はネット予約に慣れている
  • 新しいお客さまを集めたいならグルメサイト経由、また来る人を受けたいならお店の窓口
  • 予約の記録がどこにたまるかも、入り口で決まる

今夜入った予約が、どこから来たか。まずはそこを数えるところから、始めてみてください。

出典